クラウドエンジニアとは、クラウドコンピューティング技術を活用し、システムの設計、構築、運用、保守を行うエンジニアのことです。
AWSやAzure、Google Cloud Platform(GCP)などのクラウドサービスを駆使して、企業のITインフラを効率的に運用できる仕組みを構築します。
クラウドエンジニアは、近年のクラウド化の進展に伴い、IT業界で注目されている職種の一つです。
とはいえ、これからクラウドエンジニアを目指す方の中には、以下のような疑問を抱く方も多いでしょう。
「クラウドエンジニアとは具体的にどんな仕事をするの?」
「インフラエンジニアやネットワークエンジニアとの違いは?」
「クラウドエンジニアに必要なスキルや資格は?」
「クラウドエンジニアの年収や将来性は?」
そこで本記事では、クラウドエンジニアの仕事内容や他職種との違い、必要なスキル、年収、キャリアパス、そして将来性について詳しく解説します。
クラウドエンジニアに関する疑問が解消できるので、ぜひ最後までご覧ください。
フリーランスのクラウドエンジニアの平均年収は約800万円!年収1000万円以上を目指す方法も紹介
クラウドエンジニアとは
クラウドエンジニアとは、クラウドサービスを活用して企業のITインフラを構築・管理・運用するエンジニアのことです。
以下のようなクラウドサービスを使い、サーバーやデータベース、ネットワークを仮想環境上に構築します。
- AWS
- Microsoft Azure
- Google Cloud Platform
また構築後はOS、ミドルウェアのバージョンアップ、システムの監視を行い、サービスが安定稼働できるように運用・保守作業に加え、運用コストの削減も行います。
インフラを構築する、と言う点では「インフラエンジニア」と同じですが、クラウドエンジニアはクラウド型システム専門の環境構築係です。
クラウドエンジニアは、あくまでクラウド型システムの環境構築と運用保守が主たる仕事なのです。
クラウドエンジニアとインフラエンジニアの違い
クラウドエンジニアとインフラエンジニアの主な違いは、担当する環境にあります。
インフラエンジニアは、物理サーバーやオンプレミス(自社所有の設備)を主に扱い、ネットワークやサーバーの構築・運用を行います。
一方で、クラウドエンジニアは仮想環境上でサーバーやネットワークなどのインフラを管理します。
インフラエンジニア | 物理サーバーやオンプレミス(自社所有の設備)を主に扱い、ネットワークやサーバーの構築・運用を行う |
クラウドエンジニア | クラウドエンジニアは仮想環境上でサーバーやネットワークなどのインフラを管理する |
そのため、インフラエンジニアは主にハードウェアや物理的な設備の管理が求められる一方、クラウドエンジニアは仮想リソースを活用して迅速かつ柔軟にインフラを運用するスキルが必要とされます。
この違いにより、クラウドエンジニアは企業のニーズに合わせてインフラを効率よく拡張・縮小できる点で強みがあります。
インフラエンジニアがきついと言われる理由とは?魅力や就職・転職のコツも紹介
クラウドエンジニアとシステムエンジニアの違い
クラウドエンジニアとシステムエンジニアの違いは、担当する業務範囲です。
システムエンジニアは、システム全体の要件定義や設計、開発を担い、アプリケーションやサービスの開発も行います。
クラウドエンジニアは、クラウド上でのインフラ環境の設計や運用がメインで、サーバーやネットワークの設定、クラウドの最適化に関する業務が中心です。
システムエンジニア | システム全体の要件定義や設計、開発を担い、アプリケーションやサービスの開発も行う |
クラウドエンジニア | クラウド上でのインフラ環境の設計や運用がメインで、サーバーやネットワークの設定、クラウドの最適化に関する業務が中心 |
クラウド環境を活用することで、システムエンジニアの作業を効率化する役割も担っています。
クラウドエンジニアとネットワークエンジニアの違い
クラウドエンジニアとネットワークエンジニアの違いは、ネットワークに対するアプローチにあります。
ネットワークエンジニアは、物理的なネットワーク機器を使ってインフラのネットワーク環境を構築・管理します。
一方で、クラウドエンジニアが管理するのはクラウド上の仮想ネットワークです。
ネットワークエンジニア | 物理的なネットワーク機器を使ってインフラのネットワーク環境を構築・管理する |
クラウドエンジニア | クラウド上の仮想ネットワークを管理する |
クラウドのネットワークは物理的な制約が少ないため、スケールアップが容易であり、クラウドエンジニアは迅速な環境構築と柔軟な運用が可能です。
クラウドエンジニアとサーバーエンジニアの違い
クラウドエンジニアとサーバーエンジニアの違いは、サーバーの管理方法です。
サーバーエンジニアは、物理的なサーバーを自社で設置・管理し、データの保守や運用を行います。
一方で、クラウドエンジニアはクラウドサービス上で仮想サーバーを構築し、管理を行います。
サーバーエンジニア | 物理的なサーバーを自社で設置・管理し、データの保守や運用を行う |
クラウドエンジニア | クラウドサービス上で仮想サーバーを構築し、管理を行う |
クラウドの仮想サーバーは、リソースの増減が簡単に行えるため、クラウドエンジニアはより柔軟な運用ができます。
クラウドの特徴を活かし、企業の運用効率を高める役割を果しているのです。
サーバーエンジニアの平均年収は450万円〜600万円!収入アップに繋がるスキル・資格も紹介
クラウドエンジニアの仕事内容
クラウドエンジニアの主な仕事内容は、以下の3つです。
以下で詳しく解説します。
インフラの設計
クラウドエンジニアの重要な業務の一つが、インフラ設計です。
システムの稼働基盤となるサーバーとネットワークの接続方法、セキュリティ対策を含めた全体の構成を考えながら、インフラの設計を行います。
オンプレミス環境からクラウドへの部分移行の場合も多く、その場合は既存のオンプレミスとクラウドの連携方法や、将来的な完全クラウド化を見据えた拡張性も考慮します。
クラウドには複数の企業が共用するパブリッククラウドと、一社専用のプライベートクラウドがあり、どちらを選ぶかも慎重に検討します。
パブリッククラウドはGoogle、Microsoft、Amazonなどが提供するサービスがあり、コストは抑えられますが、データの機密性はやや限定的です。
一方、プライベートクラウドは高い機密性を確保できますが、コストが増加します。
パブリッククラウド | Google、Microsoft、Amazonなどが提供するサービスがあり、コストは抑えられるものの、データの機密性はやや限定的 |
プライベートクラウド | 高い機密性を確保できるものの、コストが増加する |
通常はパブリッククラウドを希望する企業が多いものの、要件を満たせるかどうかも検討が必要です。
また、既存のオンプレミス環境とクラウドを併用するハイブリッドクラウドの選択も増えており、どの形態が最適かを提案するのもクラウドエンジニアの大切な役割です。
クラウドの構築作業
インフラ設計が完了し、顧客から承認を得た後は、設計書に基づいてクラウド環境の構築作業を進めます。
具体的には、以下の作業が含まれます。
- サーバーの仮想化
- データベースの導入
- ストレージの設定
- システム本体のインストールと設定など
パブリッククラウドの場合、複数の企業が同一システムを使用するため、サーバーの仮想化やストレージ設定では利用企業の数や使用時間帯を考慮し、十分なレスポンスが確保できるように調整が必要です。
また、他社データが見えないようにセキュリティ対策も徹底します。
限られたサーバーリソースを最大限に活用しながら、安全かつ安定した稼働を実現するため、細心の配慮が求められます。
保守・運用
システムの本番稼働が始まると、クラウドエンジニアは保守・運用を担当します。
主な業務は、以下の通りです。
- OSやミドルウェアのバージョンアップ
- トラブルが発生していないかの監視
- 運用コストの最適化など
保守・運用は設計・構築フェーズよりも長期にわたるため、クラウドエンジニアは一度担当したシステムと長く関わることが多く、安定した仕事の継続が期待できます。
システムが安定稼働している場合、一部の監視業務はオペレーターなどに引き継ぐことも可能ですが、問題が発生した際の対応はクラウドエンジニアが担当するため、完全に離れることはほとんどありません。
また、OSやミドルウェアの更新は定期的に行われ、場合によってはインフラ全体に影響する変更が必要になることもあります。
その際、全体の再テストが求められるため、クラウドエンジニアの役割は重要です。
この安定した需要はクラウドエンジニアの大きな利点である一方、人材不足を引き起こす一因ともなっています。
クラウドエンジニアの年収【会社員・フリーランス別】
クラウドエンジニアの年収は、会社員か、フリーランスかで大きく異なります。
それぞれの年収は、以下の通りです。
年収相場 | |
---|---|
会社員 | 約500万円 |
フリーランス | 600〜800万円 |
以下で詳しく解説します。
会社員のクラウドエンジニアの年収は約500万円
会社員のクラウドエンジニアの年収は、約500万円ほどが相場です。
実際に求人ボックス「クラウドエンジニアの仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)」によると、日本における正社員のクラウドエンジニアの年収は516万円となっています。(以下画像参照)
出典元:求人ボックス「クラウドエンジニアの仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)」
また年齢別のクラウドエンジニアの年収は、以下の通りです。
20代 | 20〜24歳:339万円 25〜29歳:445万円 |
30代 | 30〜34歳:533万円 35〜39歳:573万円 |
40代 | 621万円〜651万円 |
50代 | 50〜54歳:666万円 55〜59歳:652万円 |
なお、国税庁「1平均給与」によると日本における給与所得者の平均給与は461万円となっているため、会社員のクラウドエンジニアの年収は他職種と比較するとやや高めと言えます。
フリーランスのクラウドエンジニアの年収は600〜800万円
フリーランスのクラウドエンジニアの平均年収は、600〜800万円ほどです。
月単価に換算すると、約50〜70万円前後になります。
平均年収 | 600〜800万円 |
平均月額単価 | 約50〜70万円前後 |
実際に、当サイトが運営する「フォスターフリーランス」で掲載中のクラウドエンジニア案件の単価も70万円前後のものが多いです。
フリーランスは「案件」「仕事量」が自由に決められるため、会社員と比較すると努力次第で年収を大幅に上げられます。
なお、フリーランス協会「フリーランス白書2019」によると、IT・エンジニア職で最も多い年収レンジは400〜600万円でした。(以下画像参照)
出典元:フリーランス協会「フリーランス白書2019」
安定的に案件を受注できることが前提ですが、フリーランスのクラウドエンジニアはIT・エンジニア職種全体と比較すると比較的高めの年収が目指せるということです。
フリーランスプログラマーの年収は?会社員・他職種との収入差を紹介
クラウドエンジニアに向いている人の特徴
クラウドエンジニアに向いている人の特徴はいくつかあるものの、特に以下3つに当てはまる方は向いている可能性が高いです。
以下で詳しく解説します。
IT技術が好き・興味がある人
クラウドエンジニアに向いている人の特徴1つ目は、「IT技術が好き・興味がある人」です。
クラウド技術は日々進化しており、以下のようなクラウドプラットフォームの機能も頻繁に更新されます。
- AWS
- Azure
- Google Cloud
そのため、IT技術に興味があり、新しい知識を自発的に吸収したいという意欲がある人は、クラウドエンジニアとしての適性が高いといえます。
日々の業務においても新しい技術やツールの導入が求められることが多いため、好奇心を持って学び続けられる姿勢が重要です。
IT技術が好きで、常に最新のトレンドを追うことが楽しいと感じる方は、クラウドエンジニアとしてのキャリアを積みやすく、長期的な成長も見込めるでしょう。
問題解決能力がある人
クラウドエンジニアに向いている人の特徴2つ目は、「問題解決能力がある人」です。
クラウド環境では、トラブルや技術的な課題が発生することが少なくありません。
そのため、何か問題が起きたときに、冷静に原因を分析し、迅速かつ的確に解決策を導き出す能力が求められるのです。
クラウドエンジニアは、以下のように多岐にわたる知識を活用してトラブルに対処するため、論理的に考える力や柔軟な発想が求められます。
- ネットワーク
- サーバー
- セキュリティなど
自ら問題の原因を突き止め、最善の解決方法を考える姿勢があれば、クラウドエンジニアとしてのキャリアで大きな武器となるでしょう。
トライアンドエラーができる人
クラウドエンジニアに向いている人の特徴3つ目は、「トライアンドエラーができる人」です。
クラウド環境は柔軟性が高く、さまざまな構成や技術を試せる一方で、予期せぬエラーや課題が発生することも多々あります。
そのため、失敗を恐れず、試行錯誤を繰り返して最適な解決策を見つけ出す姿勢が求められます。
新しい設定や機能をテストしながら、エラーが発生した際も粘り強く原因を探り、次のアプローチを模索できる人はクラウドエンジニアに向いているといえるでしょう。
トライアンドエラーの精神で挑戦を続けることで、技術力も大きく成長します。
クラウドエンジニアに求められる知識・スキル
具体的に、どんなスキルが必要とされるのか列挙してみましょう。
クラウドに関するスキル
クラウドコンピューティングは独自のスキルが求められます。
例えばネットワークの仮想化の知識、パブリッククラウドに関する知識などです。
特にパブリッククラウドの知識は必須でAWS、GCP、Microsoft Azureについての知識と3種類の提供方式「IaaS」「PaaS」「SaaS」の違いについて知っておくことは基本知識となります。
もちろん知識だけでなく実装するのですから、経験も必要とされてきます。
サーバーに関する知識
クラウド型システムはサーバーを使いますので、サーバーの知識も必須となります。
構築・運用・保守方法の知識が必要ですが、クラウド型システムで使用されるサーバーはLinuxをベースとしているものが大半ですのでLinuxについての知識は前提条件となります。
また仮想化技術の概念もしっかり理解し使用できるようになっておかないとクラウド型システムの構築は出来ません。
ネットワークに関する知識
オンプロミス型システムではネットワークについてはネットワークエンジニアがやってくれますが、クラウド型システムではクラウドエンジニアが自分で設定を行わなければなりません。
実務ではオンプロミス型から部分的にクラウド型に移行するケースも多々ありますが、そうなるとオンプロミス型とクラウド型が併用される時期が出てきます。
この期間はクラウドエンジニアが主導してネットワークを再構築しなければならないので
ネットワークエンジニアと同等レベル以上のスキルが必要となります。
ミドルウェアに関する知識
ミドルウェアとはデータベースの管理ソフト、システムの運用、管理、データのやり取りに使用するツール類を指します。
オンプロミス型の場合は、マシン本体に実装されている機能を使用していることがほとんどですが、クラウド型でも同じ機能が必要となるため該当する機能を用意しておかなければなりません。
そのためには、これらのミドルウェアに対する知識が必要となるのです。
オンプレミス型システムの知識
現在、クラウド化対象となっているシスム案件は、ほとんどがオンプレミス型からの移行です。
そしてオンプレミス型ではルーター、ロードバランサー、ファイアウォール、IPS/IDSなどの機器が使用されています。
これらの機器の役割を知っておかないとクラウド上で同等レベル以上のシステムは作ることはできません。
つまりオンプレミス型システムのインフラ構成も知っておく必要があるのです。
「クラウド化したら遅くなった」とか「以前は出来たことが出来なくなった」という事が発生してしまうと「クラウド化したことがむしろ改悪になってしまう」のです。
DevOpsの知識
近年はアジャイル開発方式が主流となりつつあります。
これは最初は単純な物を作り、それを段々と進化させていき仕上げていく開発手法ですが、現在ではDevOpsというツールで進化の段階を管理し、かつ進化の内容を標準化させることが行われるようになっています。
必ずしも全てのプロジェクトがアジャイル方式で開発される訳ではありませんが、担当案件がアジャイル方式となった場合、DevOpsの知識は必須となります。
システム開発におけるアジャイル化は、これから先、進むことはあっても無くなることはないでしょう。
つまり「今は必要なくても将来は必要になるかもしれない」のです。
ですので、早い段階で習得されておくことをお勧め致します。
コミュニケーションスキル
クラウドエンジニアは設計時には顧客との打ち合わせが必要であり、開発時には開発グループとの打ち合わせが必要です。
そしてインフラ、特にクラウドのインフラについては「事前知識が無いと理解できない」ものが多いので、そういった内容を相手に分かりやすく伝えることが出来るコミュケーションスキルが必要となります。
また口頭説明だけでは危ないので、資料を作成し配布する必要もありますが、その資料も「分かりやすいもの」でなければなりません。
インフラ関係の知識を心得ている顧客や開発グループは、ほぼ皆無です。
従って分かりやすくなければ理解してもらえません。
そして理解してもらわなければシステム開発はうまくいきません。
また運用・保守のフェーズではユーザーとやり取りをしなければならないので、ますますコミュニケーションは難しくなってきます。
コミュニケーションスキルは非常に重要なスキルで、担当クラウドエンジニアの評価に直結するものなので、是非とも備えておきたいスキルです。
クラウドエンジニアにおすすめの資格
クラウドエンジニアにおすすめの資格は、以下の5つです。
Google Cloud 認定資格
Google Cloud 認定資格は、Googleが提供するクラウドプラットフォーム「GCP(Google Cloud Platform)」の技術を証明する資格です。
特に「Google Cloud Professional Cloud Architect」は、GCPを活用したシステムの設計や運用能力を評価する資格で、クラウドエンジニアにとって必須ともいえる資格です。
資格取得を目指すことで、GCPを用いたプロジェクトに必要なスキルを体系的に学べ、キャリアアップにつなげられます。
AWS認定資格
AWS認定資格は、Amazonが運営する民間資格です。
特に中級者向けの「AWS認定ソリューションアーキテクト(アソシエイト)」は、実務レベルのスキルを証明できる資格として人気があります。
初心者の方は、まず「AWS認定クラウドプラクティショナー」から取得し、その後「アソシエイト」や「プロフェッショナル」といった上位資格を目指す段階的な学習がおすすめです。
Microsoft Azure認定試験
Microsoft Azure認定試験は、Microsoftが運営する民間資格です。
Azureを利用したクラウドインフラの構築、運用、最適化のスキルを証明できます。
Microsoft Azure認定試験を取得することで、Azureを採用する企業でのキャリアの可能性を広げることができ、クラウドエンジニアとしての市場価値を高めることが可能です。
情報処理技術者試験(FE)
情報処理技術者試験(FE)は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営する国家資格です。
ITの基礎知識やプログラミング、システム開発の基本的なスキルを証明できます。
クラウドエンジニアを目指す初心者の方にとって、土台となるスキルを身につけるのに適した資格です。
ネットワークスペシャリスト試験(NW)
ネットワークスペシャリスト試験(NW)は、ネットワークの設計・構築に関する高度なスキルを証明する国家資格です。
クラウド環境ではネットワーク技術が重要な役割を果たすため、この資格を取得することで専門性をアピールできます。
特に、複雑なネットワーク構成を扱うプロジェクトに携わる際に役立つ資格です。
未経験からクラウドエンジニアになるロードマップ
クラウドエンジニアを目指すためのロードマップは、現在の経験やスキルセットによって異なります。
ここでは、インフラエンジニアから目指す場合と、IT業界未経験から目指す場合の2つのケースについて解説します。
インフラエンジニアから転身する場合
インフラエンジニアからの転身は、最も一般的なクラウドエンジニアを目指す方法です。
なぜならインフラエンジニアとしてのスキルは、クラウドエンジニアでも使えるものが多いからです。
また、インフラエンジニアはネットワークやサーバーの設計・構築、運用・保守など幅広い業務を担当するため、クラウド環境でも必要とされる基本的な知識と経験を既に持っている場合が多いです。
たとえば、オンプレミス環境で培ったスキルは、クラウドプラットフォーム上でのリソース管理やセキュリティ設定に応用できます。
さらに、インフラエンジニアとしての経験は、システム全体の設計やトラブルシューティングの際に役立つため、クラウドエンジニアとしての即戦力となりやすい点も大きなメリットです。
このように、インフラエンジニアからの転身は、既存のスキルを活かしつつ、新たなキャリアを築くための現実的かつ効果的な方法と言えるでしょう。
IT業界未経験から目指す場合
IT業界未経験からクラウドエンジニアを目指すには、まず以下の基礎知識を学ぶことから始めましょう。
- ネットワーク
- サーバー
- セキュリティ
これらの知識は、オンライン講座や参考書を活用することで、未経験者でも効率的に身につけることが可能です。
次に、クラウドプラットフォームの基本的な仕組みや操作を理解するために、AWSやGoogle Cloud、Microsoft Azureの無料トライアルを活用しましょう。実際にハンズオンで学ぶことで、クラウド技術への理解が深まります。
なお、未経験からIT業界への転職活動を進める際には、転職エージェントの活用がおすすめです。
転職エージェントでは自分に合う求人を紹介してくれるうえに、転職サポートも無料で行ってくれます。
上記のように基礎知識の習得から転職活動までのプロセスをしっかり踏むことで、未経験からでもクラウドエンジニアとしてのキャリアをスタートさせることが可能です。
クラウドエンジニアは将来性がある職種
クラウドエンジニアは、将来性が期待できる職種です。
将来性が期待できると理由はいくつかあるものの、特に「企業のクラウド化が進んでいるから」という点が大きいです。
企業のクラウド化が進んでいるから
現在、多くの企業がオンプロミス型からクラウド型へ移行しようとしています。
実際に総務省「令和3年情報通信白書のポイント」をみると、企業におけるクラウドサービスの利用率が年々上昇していることがわかります。(以下画像参照)
出典元:総務省「令和3年情報通信白書のポイント」
そのため、クラウドエンジニアの需要も高く、クラウド型に移行してからも運用・保守作業がある限り、仕事が途絶えるということはないと言えます。
また通常、最初から全てをクラウドに移行する、と言う企業は少なく「徐々に移行する」という形を取る企業がほとんどです。
その場合、クラウドエンジニアは「徐々に移行する期間」はずっと、お付き合いする必要が出てきます。
そして、その期間は相当な長期間になることが多く、クラウドエンジニアの仕事は途絶えるということがないのです。
そのため、クラウドエンジニアの将来性は非常に高いと言えるでしょう。
クラウドエンジニアの求人例【フリーランス向け】
案件数 | 5,000件以上(非公開求人含む) |
クラウドエンジニアの案件数 | 157件(非公開求人除く) |
最高単価 | 230万円/月 |
就業 | 最短3日 |
高単価案件 | ◯ |
フルリモート案件 | ◯ |
手数料 | なし |
ITエンジニアの満足度 | 90% |
登録者数 | 22,000人 |
運営 | 1996年11月〜 |
運営会社 | 株式会社フォスターネット |
ここからは、当サイトが運営するITエンジニア向けエージェント「フォスターフリーランス」で掲載されているフリーランス向けのクラウドエンジニア求人を3つ紹介します。
※2024年時点で掲載中の案件から抜粋しています。
求人例①:ブロックチェーンインフラエンジニア
Web3事業の中のプラットフォームにおけるブロックチェーンノードの運用保守改善、新規バリデータノードの構築等を行う案件です。
案件の詳細は、以下の通りです。
案件単価(月) | 70~90万円 |
言語 | ・クラウドエンジニア |
必須スキル・経験 | ・AWSを用いた中規模以上のインフラ環境構築・運用経験 ・Webアプリケーションの脆弱性についての知識および対策スキル ・ブロックチェーン技術(暗号技術、PoW/PoS、スマートコントラクト、トークン規格等)の基本的知識 |
歓迎するスキル・経験 | ・ブロックチェーンノードの運用経験 ・負荷試験や脆弱性診断等、リリース前の試験実施経験 |
稼動日数 | 週5日 |
就業時間 | – |
リモート詳細 | フルリモート |
勤務地 | 東京都,港区 |
さらに詳しい案件の詳細は、以下から確認できます。
求人例②:インフラ基盤運用/構築
顧客が提供するサービスのインフラ基盤を運用・構築案件です。
案件の詳細は、以下の通りです。
案件単価(月) | 70~90万円 |
言語 | ・クラウドエンジニア ・AWS |
必須スキル・経験 | ・3年以上のAWSを利用したインフラ構築、運用管理の実務経験 (ご自身で設計・構築・運用をされていることが必須) ・2年以上のAWSマルチアカウント環境下における構築・運用経験 ・Cloudformationでの構築・運用経験 ・ECS(Fargate)、ELB、RDS、Route53、CloudWatch、 Lambda等の構築・運用経験 ・CodePipeline・CodeBuild・CodeDeploy、CircleCI、GitHub Actions等、 CI/CDの構築・運用経験 |
歓迎するスキル・経験 | ・PHP LaravelのWebアプリやWordpressを運用した経験 (開発経験があると、より望ましい) ・CloudWatch、DataDog、NewRelicなどによる、監視設計の経験(ダッシュボード、アラートなど) ・PagerDutyなどによる、エスカレーションフローの構築経験 ・技術に明るくないメンバーと連携しての開発経験(例:営業職など) |
稼動日数 | 週5日 |
就業時間 | – |
リモート詳細 | 原則リモート |
勤務地 | 東京都,港区 |
さらに詳しい案件の詳細は、以下から確認できます。
求人例③:金融系基幹システム更改 クラウド環境構築(上流支援)
金融系基幹システム更改における、インフラ構築案件です。
案件の詳細は、以下の通りです。
案件単価(月) | 100~130万円 |
言語 | ・クラウドエンジニア ・AWS ・Azure |
必須スキル・経験 | ・大規模プロジェクトにおける上流工程(要件定義)の経験 ・クラウド(AWS or OCI or Azure)のサービスの構築経験 ・ベンダーコントロールの経験 ・顧客情報システム担当との折衝スキル ・顧客情報システム担当向けのドキュメンテーションスキル |
歓迎するスキル・経験 | ・ITインフラ基盤全般のアーキテクトの知識 ・オンプレミスからクラウドへの移行経験 |
稼動日数 | 週5日 |
就業時間 | – |
リモート詳細 | オンサイト |
勤務地 | 東京都,渋谷区,世田谷区 |
さらに詳しい案件の詳細は、以下から確認できます。
クラウドエンジニアに関するよくある質問
ここからは、クラウドエンジニアに関するよくある質問を紹介します。
「クラウドエンジニアはきつい・やめとけ」と言われる理由は?
「クラウドエンジニアはきつい・やめとけ」と言われる理由の一つに、業務の幅広さと高い技術要求があります。
クラウドエンジニアは、サーバー管理やネットワーク構築、セキュリティ対策まで多岐にわたるスキルが求められます。
また、クラウド技術は日々進化しており、新しい技術やサービスを継続的に学ぶ必要があります。
これらの理由から、クラウドエンジニアは「きつい」と感じる人も多いのです。
とは言え、全てのIT・エンジニア職でも言えることです。
プログラマーの仕事がきついと言われる理由!向き不向きの特徴や未経験から始めるコツを紹介
クラウドエンジニアとインフラエンジニアの違いは?
クラウドエンジニアとインフラエンジニアの違いは、主に担当する環境にあります。
インフラエンジニアは、オンプレミス(自社内設備)での物理サーバーやネットワーク機器の管理が主な業務です。
一方、クラウドエンジニアは仮想環境上でサーバーやネットワークを管理し、AWSやAzureなどのクラウドプラットフォームを使用してインフラを構築・運用する職種です。
クラウドエンジニアは未経験からでもなれる?
クラウドエンジニアは未経験からでも目指せますが、ITの基礎知識やサーバー・ネットワークの理解が求められます。
まずは基礎的なITスキルを習得し、クラウドプラットフォーム(AWSやAzureなど)の基本操作を学ぶことが重要です。
近年では、初心者向けのクラウド資格も増えており、これらの資格を取得することで、基礎知識を証明できるため、未経験でもクラウドエンジニアへの道が開けます。
クラウドエンジニアとは|まとめ
クラウドエンジニアは、サーバーやネットワークといったインフラ全般に携わり、設計から運用、保守までを担う重要な職種です。
クラウド技術の進化と企業のクラウド化が進む現代において、その需要はますます高まっています。
未経験からクラウドエンジニアを目指すには、資格取得や基礎知識の習得を通じてスキルを磨き、求職活動でのアピール力を高めることが重要になります。
この記事を参考に、クラウドエンジニアに必要なスキルや知識を学び、次のキャリアステップへとつなげてください。