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データアナリストとはどんな職業?仕事内容やデータサイエンティストとの違いを解説

コロナ禍の中、低迷するビジネスの需要を拡大するため、様々な企業で自社データの活用を検討しています。

このような環境下、データ活用の専門職である「データアナリスト」はビジネスを活性化させるプロフェッショナルとして多くの企業から注目を浴びています。

そこでこの記事では、データアナリストの概要から気になる年収や将来性までを詳しく解説します。

記事は5分程度でお読み頂けますので、ぜひ最後までお読み頂いてデータアナリストの知識を深めてください。

データアナリストとは?

データアナリストとは、日本語にすると「情報分析人」になります。

簡単に説明しますと企業の持つ悩みや課題を分析して解決策を提案するプロフェッショナルです。

データアナリストとは
    企業の持つ悩みや課題を分析して解決策を提案するプロフェッショナル

昨今、話題に挙がるビッグデータの活用でデータアナリストは必要不可欠な存在となります。

次にデータアナリストの仕事内容を説明した後、データアナリストと似て非なるデータサイエンティストとの違いについて説明します。

データアナリストの仕事内容

データアナリストの仕事内容は志向性に応じて以下の2つに分類されます。

コンサル型データアナリスト

コンサル型の仕事内容は、企業が抱える問題点を独自の分析を活用して改善策を提案することです。

必要なスキルは課題設定から解決策までの「問題解決スキル」と解決策実施後の検証を行う「分析スキル」です。

必要なスキル
  • 問題解決スキル
  • 分析スキル

勤務先は主にコンサルティング会社やマーケティング支援会社等に所属しています。

エンジニア型データアナリスト

エンジニア型の仕事内容は、機械学習やデータマイニングを用いて規則性を探し出しながら商品やサービスの改善策を提案することです。

必要なスキルはコンサル型と同様の問題解決スキルと分析スキルに加えて、機械学習やデータマイニングを扱うため、PythonやJava等のプログラミング言語もマスターする必要があります。

必要なスキル
  • 問題解決スキル
  • 分析スキル
  • Python・Javaなど

勤務先は主にWebメディア企業、SIer等に所属しています。

データアナリストとデータサイエンティストの違い

両者の仕事は「データの分析」を扱うという点に置いて同じですが、職務内容が異なります。

データアナリストは主にデータの活用を行う職業です。具体的にはデータの分析結果に基づき、データの活用方法をクライアント先に提案します。

これに対してデータサイエンティストは目的に応じて、データを収集・分析し、 課題解決にむけて企業戦略等を作る職業です。

職業名仕事内容
データアナリストデータの活用を行う職業
データサイエンティストデータを収集・分析し、 課題解決にむけて企業戦略等を作る職業

「データサイエンス力、データエンジニアリング力をベースにデータから価値を創出し、ビジネス課題に答えを出すプロフェッショナル」と一般社団法人データサイエンティスト協会では定義しています。

データサイエンティストはなくなる?今後の将来性と需要について解説

データアナリストの年収

「求人ボックス」の調査によると、データアナリストの平均年収は約674万円です。この数字は全国の平均年収ですので企業規模や経験年数等によって変わります。

なお、同サイトで「一般事務員」の平均年収は約302万円でした。

従ってデータアナリストの年収は他の職業と比べて高い部類に属するといって良いでしょう。

職種平均年収
データアナリスト約674万円
一般事務員約302万円

データアナリストの必要な能力とスキル

データアナリストは他の職種に比べて高収入だということを理解できたと思います。

そこで次はデータアナリストとして働くために必要な知識とスキルを3つご紹介します。

論理的思考能力

データアナリストは、原理原則に基づいて行動する習慣が必要不可欠です。なぜなら、感情に流されやすい人は判断基準がその都度異なるため、多くの人から支持を得られないからです。

データアナリストの仕事は多くの人とコミュニケーションを取りながら結論を導くことが求められています。

従いましてデータアナリストは沈着冷静に相手を説得できるだけの論理的思考能力の高い人が向いています。

データベーススキル

数学的な手法を駆使してデータ分析を行うデータアナリストは、データベースの管理や抽出等のスキルが必要不可欠です。

このためにはデータベース管理システム(DBMS)を扱う知識やデータベースの操作言語であるSQLはマスターすべきでしょう。

プログラミングスキル

データアナリストが直接、プログラムを書くことはありません。

しかしながら機械学習で用いるプログラミング言語は基本的な知識として学んで置くべきです。

具体的なプログラミング言語としてPythonとRはマスターすると仕事の幅が広がります。

分析ツールスキル

昨今、ビッグデータの活用と共に話題になっているのがBI(Business Intelligence)ツールです。

このツールは企業が保持する様々なデータを分析して企業経営や業務改革に役立てるソフトウェアです。

このBIツールで代表的なものは、Tableau(タブロー)やDOMO(ドーモ)です。

BIツールの代表例
  • Tableau(タブロー)
  • DOMO(ドーモ)

この2つのソフトはデータアナリストにとって欠かせないツールですのでマスターして置きましょう。

データアナリストに有効な資格

データアナリストを目指す方や転職を計画している方に有効な資格を3つご紹介します。

基本情報技術者試験

情報技術者試験は知名度の高い国家試験です。

この試験には「基本情報技術者試験」と「応用情報技術者試験」に2つがあります。

種類
  • 基本情報技術者試験
  • 応用情報技術者試験

基本情報技術者試験は、プログラマーやSEを目指す情報系学部の学生を中心に多くの人が受験しますが、データアナリストを目指す方も有効な資格です。

この試験に通れば、企業からは情報処理技術者として必要な知識やスキルを保持していると判断されます

データベーススペシャリスト試験

データベーススペシャリスト試験は上述した「基本情報技術者試験」と同じカテゴリーの情報技術者試験に属する国家試験です。

本試験は、同カテゴリー試験の中で最も難易度の高いレベルに位置付けられています。

本試験に合格することで高度IT人材としてデータベースの専門家と判断されます。

データアナリストを目指す人は将来のステップアップのため、取得することが望ましい資格です。

オラクルマスター

オラクルマスターとはOracle Databaseの管理/運用スキルを保持していることを証明する民間資格となります。

オラクル社は国内データベースソフトウェアのシェアを約50%を握っています。従ってこの資格を取得するということは主要なデータベースを管理/運用できる能力があると判断されるということです。

試験の種類は、入門の「Bronze」から上位試験の「Silver」や「Gold」、SQLスキルに特化した「Silver SQL」の4つとなります。

種類
  • Bronze/li>
  • Silver
  • Gold
  • Silver SQL

データアナリストを目指す方は手始めにBronzeを挑戦することをお勧めします。

エンジニアになるのに資格はいらない?資格取得のメリットやおすすめの国家資格を紹介

データアナリストになる方法

データアナリストになるための方法を2つご紹介します。

プログラミングスクールに通う

データアナリストして必要なスキルとしてプログラミング言語がありますが、これを学ぶためにはプログラミングスクールが最適です。

プログラミングスクールの多くは講師が現役エンジニアも在籍していますので、不明点があればすぐに聞くことができるというメリットもあります。

更にスクールによっては卒業生に対して就職支援もして貰えるケースのありますのでデータアナリストになるチャンスが高いです。

Webサイトを利用して独学する

Webサイトでデータアナリストになるための勉強をすることは可能です。

しかしながら漠然と独学を始めても高いモチベーションを保つことは困難です。

そこで目標として上述した資格試験の取得をお勧めします。

上述した資格試験はどれもデータアナリストを目指す上で有利に働く筈です。

まとめ

この記事ではデータアナリストの概要から年収や将来性までを詳しく解説して来ました。

データアナリストはITエンジニアとして素養を持ちながらもデータ分析のスペシャリストとして様々な企業から多くのオファーを受けており、将来的にも需要が高い職種です。

更にビッグデータ、機械学習というビジネストレンドからデータアナリストは注目されており、IT業界の中でも花形な仕事に他ありません。