月収50万円の手取り額は、企業や団体に勤務する方とフリーランスなどの個人事業主では異なります社会保険や経費の計上、青色申告特別控除などが関係するためです。
ここでは、フリーランスと会社員の月収50万円の手取り額に係る次の項目をご紹介します。
- 月収50万円を目標にしている方
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- 月収50万円の手取り額を知りたい方
月収50万円の手取り額
まず最初に月収50万円の手取り額を会社員とフリーランスに分けてご紹介します。
フリーランスに関しては、クライアントやエージェントごとに源泉徴収の有無で手取り金額に違いが生じる点にご注意ください。
月収50万円の手取り額「会社員」
企業や団体に勤務する方の月収50万円の手取り額は、385,216円です。
50万円×12ヶ月=600万円(年収)にて算出しています。
※賞与や退職金積立金、生命保険控除などを含まない金額です
※20歳以上40歳未満の単身者(扶養家族なし)の場合
項目 | 内訳 |
---|---|
年収(給与収入) | 6,000,000円 |
給与所得控除 | 1,640,000円 |
給与所得 | 4,360,000円 |
基礎控除 | 480,000円 |
厚生年金 | △549,000円 |
健康保険 | △294,300円 |
雇用保険 | △18,000円 |
課税所得 | 3,018,000円 |
所得税率 | 10.0% |
所得税率に応じた控除額 | 97,500円 |
所得税 | △204,300円 |
住民税 | △311,800円 |
手取り金額 | 4,622,600円 ※月額385,216円 |
月収50万円の手取り額「フリーランス/個人事業主」
フリーランスの方の月収50万円の暫定的な手取り額は、源泉徴収の有無で異なります。
- 源泉徴収あり:448,950円(源泉徴収51,050円/税率10.21%)
- 源泉徴収なし:500,000円
年間の総経費が200万円、青色申告特別控除適用とした場合の手取り額は257,468円です。
※20歳から39歳の単身者(扶養家族なし)の場合
項目 | 内訳 |
---|---|
年収 | 6,000,000円 |
年間総経費 | 2,000,000円 |
事業所得 | 4,000,000円 |
青色申告特別控除 | 650,000円 |
基礎控除 | 480,000円 |
国民年金 | △199,080円 |
国民健康保険 | △330,800円 |
課税所得 | 2,340,000円 |
所得税率 | 10.0% |
所得税率に応じた控除額 | 97,500円 |
所得税 | △136,500円 |
住民税 | △244,000円 |
手取り金額 | 3,089,620円 ※月額257,468円 |
個人事業税 (課税対象者のみ) | △55,000円 |
所得税還付金 (源泉徴収ありの場合) | 479,700円 |
フリーランスは経費が計上できる一方で、厚生年金や雇用保険が適用されません。
源泉徴収ありの場合には、所得税還付金を受け取れる可能性があります。
月収50万円の税金・保険料の内訳「会社員」
会社員の場合、税金や保険料は給与から「天引き」されるのが特徴です。
所得税や住民税に関しては少し多めに差し引いておき、「年末調整」にて余剰分を還元しています。
例年1月の給与が普段より少しだけ多いのはそのおかげです。
項目 | 内訳 |
---|---|
年収(給与収入) | 6,000,000円 |
厚生年金 | 549,000円 |
健康保険 | 294,300円 |
雇用保険 | 18,000円 |
所得税 | 204,300円 |
住民税 | 311,800円 |
会社員の保険料は、健康保険と厚生年金と雇用保険の3種類が適用されます。
雇用保険を納めることで、離職後の失業給付金(基本手当)を受け取るための資格が得られる形です。
それから副業を行う方は、住民税を「自身で納める」に変更しておくことをおすすめします。
月収50万円の税金・保険料の内訳「フリーランス」
フリーランスは、確定申告と同時に所得税の納付が必須です。
源泉徴収された分よりも実際の所得税額が少なかった際には、所得税還付金が指定口座に入金されます。
※確定申告から3週間~1ヶ月ほどが目安
確定申告にて文字通り”確定”された前年度の所得に応じて、住民税や国民健康保険料が決まる形です。
項目 | 内訳 |
---|---|
年収 | 6,000,000円 |
国民年金 | 199,080円 |
国民健康保険 | 330,800円 |
所得税 | 136,500円 |
住民税 | 244,000円 |
個人事業税 (課税対象者のみ) | 55,000円 |
※年間総経費200万円、青色申告特別控除
※20歳から39歳の単身者(扶養家族なし)
フリーランスは後から税金や保険料を納める
会社員は毎月の給与から税金や保険料が天引きされますが、フリーランスは後から税金や保険料を納める点がわかりやすい違いです。
会社員 | 天引き |
フリーランス | 後から自分で納める |
前年度の所得に対して、翌年に支払う住民税や国民健康保険料が算出されます。業種や収入(売上)によっては個人事業税の課税対象です。
国民年金保険料は、年度ごとに定められた金額を月ごとに分けて支払います。将来の年金受取額を増やすために、国民年金基金やIDeCo(個人型確定拠出年金)などを別途納める方も少なくありません。
そのため、フリーランスで仕事を請け負う際には、税金や保険などの費用面を踏まえた上で案件の内容や分量を検討する必要があります。不明点についてはエージェントに相談してみてください。
月収50万円の生活水準・家賃相場
ここからは月収50万円の生活水準や家賃相場について、1人暮らしと扶養家族がいる場合に分けて解説します。
月収50万円の生活水準・家賃相場「1人暮らし(単身者)」
月収50万円の手取り額を350,000円として算出した、1人暮らし(単身者)の生活水準と家賃相場です。
支出項目 | 金額の目安 |
---|---|
月額家賃 | 100,000円~120,000円 |
食費 | 60,000円~80,000円 |
水道光熱費 | 10,000円~15,000円 |
通信費 | 10,000円~15,000円 |
趣味や交際費など | 50,000円~100,000円 |
毎月の貯蓄額 | 20,000円~120,000円 |
東京23区で100,000円から120,000円の賃料の場合、1DKから2K、2LDKが相場です。
水道光熱費は、夏場のエアコンや冬場の暖房費で大幅に変動します。100,000円以上を貯蓄に充てたい方には、定期預金への振替がおすすめです。
月収50万円の生活水準・家賃相場「夫婦と子ども1名の家庭」
こちらも月収50万円の手取り額を35万円と仮定した算出額です。単身者と比較した際、生活費に割く割合が大きく変わります。
月額家賃100,000円~ほどで、2LDK~3LDK以上の間取りが可能なエリアに居住するのが現実的かもしれません。
戸建住宅や分譲マンションの購入も視野に入れたいところです。
支出項目 | 金額の目安 |
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月額家賃 | 100,000円~120,000円 |
食費 | 80,000円~100,000円 |
水道光熱費 | 20,000円~25,000円 |
通信費 | 20,000円~25,000円 |
趣味や交際費、教育費など | 30,000円~40,000円 |
教育費など | 30,000円~40,000円 |
毎月の貯蓄額 | 0円~70,000円 |
貯蓄額を増やすためには、家賃などの固定費の見直しを最優先することをおすすめします。食費は旬の食材の調達や、調理の工夫で抑えることもできるかもしれません。
ただし、健康管理を優先することを忘れないでください。食費を節約しすぎたおかげで、後から高額療養費を半永久的に支払うパターンも存在します。
健康の基本は滋養のある食事と良質な睡眠。そして継続的な運動です。炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維の6項目を意識したメニューを心がけましょう。
手取り50万円にするには
手取り額を50万円にするためには、どの程度の月収を稼ぐ必要があるのでしょうか。
会社員とフリーランスに分けてシミュレーションしていきましょう。
手取り50万円にするには?「会社員」
会社員の方が手取り50万円にするためには、675,000円の月収が目安となります。年収は675,000円×12ヶ月=8,100,000円です。
※賞与や退職金積立金、生命保険控除などを含まない金額です
※20歳以上40歳未満の単身者(扶養家族なし)の場合
役職に就くか、歩合給の割合の高い業種(外資系、金融、不動産など)のいずれかでないと達成するのは難しいかもしれません。
項目 | 内訳 |
---|---|
年収(給与収入) | 8,100,000円 |
給与所得控除 | 1,910,000円 |
給与所得 | 6,190,000円 |
基礎控除 | 480,000円 |
厚生年金 | △713,700円 |
健康保険 | △400,248円 |
雇用保険 | △24,300円 |
課税所得 | 4,571,000円 |
所得税率 | 20% |
所得税率に応じた控除額 | 427,500円 |
所得税 | △486,700円 |
住民税 | △467,100円 |
手取り金額 | 6,007,952円 ※月額500,662円 |
手取り50万円にするには?「フリーランス」
フリーランスの方が月間の手取り額を50万円にするだけであれば、以下の収入で実現可能です。
- 源泉徴収あり:560,000円(源泉徴収57,176円/税率10.21%)
- 源泉徴収なし:500,000円
ただし、年間の総経費が200万円とした場合に必要な月収は875,000円となります。
- 源泉徴収あり:785,663円(源泉徴収89,337円/税率10.21%)
- 源泉徴収なし:875,000円
※20歳から39歳の単身者(扶養家族なし)の場合
※青色申告特別控除を適用
項目 | 内訳 |
---|---|
年収 | 10,500,000円 |
年間総経費 | 2,000,000円 |
事業所得 | 8,500,000円 |
青色申告特別控除 | 650,000円 |
基礎控除 | 480,000円 |
国民年金 | △199,080円 |
国民健康保険 | △755,600円 |
課税所得 | 6,415,000円 |
所得税率 | 20% |
所得税率に応じた控除額 | 427,500円 |
所得税 | △855,500円 |
住民税 | △651,500円 |
手取り金額 | 6,038,6320円 ※月額503,193円 |
個人事業税 (課税対象者のみ) | △280,000円 |
所得税還付金 (源泉徴収ありの場合) | 216,550円 |
※上記の項目のほか、消費税の申告義務が生じます
フリーランスITエンジニアで手取りを増やすには
フリーランスのITエンジニアの方の場合、月収50万円の手取り額は決して夢物語ではありません。
もちろん一定以上の技術力が求められますが、案件の単価を踏まえますと充分に実現可能です。
自身の体調やスケジュールを考慮しながら、案件を的確に選んでいくことをおすすめします。
経費の見直しによる節税
所得は「収入(売上)-(経費+控除額)」にて算出されます。
わかりやすく言うと、より多くの経費や控除額を計上することで、手取り額が増えるということです。(限度はありますが)
ITエンジニアが計上できる経費には、通信費や消耗品費、接待交際費などがあげられます。
自宅で作業をしている方であれば、月額家賃や水道光熱費なども家事按分によって経費への計上が可能です。
実績を積む
ITエンジニアとしての実績を積み重ねることで、好条件の案件の受注確率が高まります。
まずは着実にこなせる案件からスタートしていきましょう。
需要の高いスキルを高める
ITエンジニアに限った話ではありませんが、やはりアップデートは欠かさないほうが新たな仕事につながるケースが多いようです。
市場のトレンドをチェックしつつ、その中で需要の高いスキルを高めていくのが効率的なやり方と言えるでしょう。
営業力
ITエンジニアの方はもちろんのこと、士業などにも大きく関係するのが営業力です。必ずポートフォリオを準備しておきましょう。
クライアントの需要に合ったポートフォリオを使い分けるのがコツです。
ほかには挨拶をきちんとすることと、お礼や感謝の言葉を欠かさないことが好感度につながります。
「すみません」ではなく、「ありがとう」と言えるように心がけましょう。
まとめ
ここまで、フリーランスと会社員の月収50万円の手取り額に関する以下の項目を紹介してきました。
- 月収50万円の手取り額
- 月収50万円の税金・保険料の内訳
- 月収50万円の生活水準・家賃相場
- 手取り50万円にするには
- フリーランスITエンジニアで手取りを増やすには
会社員の方が月収50万円を実現するためには、業種にもよりますがリーダーとしての役割が求められるかと思われます。相手にどのように動いてほしいのか?を言語化できるスキルが必須です。
フリーランスの方の場合にはすべてを自身でこなすのではなく、アウトソーシングも視野に入れていくことで、より多くの収入につながるでしょう。
当記事が月収50万円を実現したい方の参考になることを願います。