IT技術者は職業の人気ランキングの上位に挙がっています。これを受けて昨今、未経験からIT業界へ転職を目指す人が増加傾向にあります。
一方で「IT技術者はどんな仕事をするのか?」や「IT技術者になるためにはどんな資格が必要なのか?」と言った疑問を良く耳にします。
そこで今回は、IT技術者について主な職種7選と未経験からIT技術者になる転職方法を解説します。
IT技術者とは?
IT技術者とは、情報技術(Information Technology)に関する専門的な知識やスキルを有するエンジニアを指します。
近年は様々な業界でIT技術の需要が高まっており、IT技術者の不足が社会問題になる程、注目された職種です。
日本におけるIT業界の事業規模は年間約16兆円です。
この数字は鉄鋼業界の事業規模と同等ということですのでIT業界が巨大な市場である事が分かると思います。
IT技術者の主な職種
前述した通り、様々な業界でIT技術の活用がされており、IT技術者の業務効率向上が必要となりました。
この結果、業務の細分化が進んだことで現在、数多くの職種が生まれています。
そこでここではITエンジニアの主な職種を8つご紹介致します。
システムエンジニア
ITエンジニアと聞かれて真っ先に頭に浮かぶのはシステムエンジニアだと思います。
システムエンジニアはクライアントから依頼された基幹システムの基盤を開発する役割を担っています。
システムエンジニアの業務領域は広く、主に以下を担当します。
- 要件定義
- 設計
- 構築
- テスト
- 導入/運用
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プログラマー
プログラマーは、システムエンジニアの作成した基本設計を元に基幹システムのプログラムを書き込み、正常に動作するまでのチェックを行います。
プログラムは構築するシステムに応じて最適なプログラミング言語が使われます。
従ってプログラマーは幾つかのプログラミング言語をマスターしているのが一般的です。
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セールスエンジニア
セールスエンジニアは、技術的な知識やスキルを持つ営業職でエンジニアと営業の間を埋める役割です。
取り扱う商品はシステム機器やソフトウェア等となるため、顧客に納得して貰うだけの専門知識が必要不可欠です。
このため、セールスエンジニアは営業と同行し、顧客に対して商品の実演や解決策の提案を行って商品の売り込みを支援します。
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーは、開発プロジェクトの全体を握る総責任者です。
一般的にはベテランのシステムエンジニアが昇格して本職に任命されます。
予算、人事、納期等のプロジェクト全体を見渡して進捗管理を行います。
プロジェクトマネージャーは全方位を意識した行動が必要不可欠であるため、コミュニケーション能力、マネジメント能力、交渉能力を兼ね備えた人物でないとないと務まりません。
- コミュニケーション能力
- マネジメント能力
- 交渉能力
Webデザイナー
Webデザイナーは、クライアントのイメージにあったWebデザインを形にするのが仕事です。
Webサイトの大枠はWebディレクターが担当し、Webデザイナーは各ページのデザイン制作を担当します。
- Webディレクター→Webサイトの大枠
- Webデザイナー→各ページのデザイン制作
Webサイトの優劣はユーザーの閲覧数で直ぐに結果が出て来ます。
従ってクライアントはWebサイトの閲覧数の推移を見た上で次のサイト改修を誰に任せるかを決定します。
このため、Webデザイナーの責任は重く、クライアント先の業界に応じたデザイン制作が必要不可欠です。
組み込みエンジニア
組み込みエンジニアは、家電製品や産業用機器等に搭載する制御システムを開発するのが仕事です。
組み込みエンジニアの活躍する場は様々で照明器具や掃除機等の家電製品やクレーン等の産業用機器にも手を広げています。
近年はIoTやドローンの出現により、更なる開発領域の場を増やしています。
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カスタマーエンジニア
カスタマーエンジニアは、ユーザーから発注されたシステム製品の導入から保守までを担当する技術者です。
自社で開発したシステム製品を実際にユーザー先に設置して稼働するまでの作業を行います。また稼働後も定期的にユーザー先に出向き、機器類の保守も担当します。
万一、システム製品にトラブルが発生した際は、速やかに現場に直行して不具合対応を行います。
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セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアは、企業におけるセキュリティに関するエンジニアです。
情報漏洩、ウィルス感染防止など重要な役割となります。
また、アプリケーションの脆弱性など、最新知識も追い続けることが必要です。
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IT技術者が不足している?
昨今、日常生活で使う電気やガス、水道、鉄道に至るまですべてがコンピューターと繋がり、システム管理されて高い安全性を維持しています。
つまり、これらのシステムを構築するIT技術者無しに日常生活を送ることさえ困難になっているということです。
このようにIT技術者の重要性が高まる中で慢性的な技術者不足が叫ばれています。
2019年、経済産業省が発表した「IT人材需給に関する調査」によると2030年に約79万人のIT人材が不足すると予測しています。
不足人数 | |
---|---|
2030年 | 約79万人 |
従ってIT技術者は暫くの間、売り手市場が継続する環境にあり、価値の高い職業であることが分かります。
IT技術者になるメリット
これまでIT技術者には数多くの職種が存在し市場ニーズも高いことが分かったと思います。
そこでここではIT技術者として働くことで得られるメリットを3つに絞ってご説明します。
将来的に独立開業することが可能
IT技術者は専門職ですので経験を積むことで独立開業することが可能です。
会社員という立場から独立して誰もが憧れるフリーランスエンジニアになるということです。
どの業界にもフリーランスは存在しますが、競争が激しくパイの奪い合いとなっている状況です。この中で安定して仕事を受注できるのは需要拡大の続くフリーランスエンジニアだけだと言われています。
しかしながら実力主義の世界ですので生き残って行くためには納期だけで無く、価値ある成果物を提供し続けることが必要不可欠です。
その代償として高収入を得られるチャンスがあります。
他の職種と比較して年収が高い
昨年、国税庁が発表した「民間給与実態統計調査」によると給与所得者の全国平均年収は約436万円(平均年齢:46.7歳)でした。
これに対して、IT技術者を含めた情報通信業の全国平均年収は約600万円です。
平均年収 | |
---|---|
給与所得者 | 436万円 |
情報通信業 | 約600万円 |
つまり、IT技術者は同世代の他の職種より約164万円も高い年収を得ています。
従いましてIT技術者は安定的に高収入を得られる職種であることが分かります。
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個人の生活スタイルに合った働き方が可能
一般的な会社員の場合、オフィスに出勤して決められた時間を拘束されることになります。
これに対してIT技術者の場合、勤務スタイルの自由度が高くリモートワークやフレックスタイムを活用することで個々人にあった生活スタイルで働くことが可能です。
つまり、IT技術者は会社に縛られない働き方ができるという大きなメリットを享受できます。
未経験からIT技術者になる方法
IT業界は前述した通り、慢性的な人材不足であるため、未経験者にも広く門戸を開いています。
そこでここではプログラミング未経験者からIT技術者になる方法を2つご説明します。
プログラミングスクールに通う
IT技術者への転職を躊躇する要因はプログラミング未経験ということです。そこで不安感を払拭するためにもプログラミング言語を学ぶことをお勧めします。
インターネットに繋がる環境があればプログラミングスクールでプログラミング言語を簡単に学ぶことができます。
プログラミング言語に拒否反応を示す人もいますので適性を確認する点からもプログラミング言語を学ぶのは有効です。
スクールの講師には現職のIT技術者もいますので初心者からでも実践的なノウハウを学ぶことができます。
企業内の基礎教育は充実している
記事の冒頭でご説明した通り、IT業界は慢性的な人手不足です。
このため、企業側も対策としてプログラミング未経験者には手厚い基礎教育をしています。
具体的には半年程度の教育カリキュラムが組まれており、必要な知識やスキルを習得することができます。
IT技術者になるためにおすすめの資格
こちらのページに様々な資格を説明していますので、ぜひご参照ください。
まとめ
この記事では、IT技術者について主な職種を7つ紹介すると共に未経験からIT技術者になる転職方法等を解説して来ました。
コロナ禍の現在でもIT業界は好調で右肩上がりの業績を上げています。
従いましてIT技術者を目指すことは賢い選択だと考えます。
一方でIT技術は日進月歩の世界ですので絶えず専門知識を深めて行く覚悟が必要となるでしょう。