日々新しい技術が生まれ活用されていくIT業界では、エンジニアもそれに対応していくために常に学び、スキルアップしていくことが不可欠です。IT業界で生き残っていくのはスキルアップ無くしては不可能だとも言えます。
しかし、単にスキルアップと言っても、どういったことをして行けばよいのでしょうか。また、どういったスキルを身につけると良いのでしょうか。
今回は、エンジニアにとって必要なスキルアップのための秘訣を紹介します。
※この記事は2018年9月11日に公開されたものを、一部更新しています。
ITエンジニアが生き残るためには
さまざまな技術が日々生まれ採用され主流となっていく、その中で世界中の企業が競争を繰り広げているIT業界。
この厳しい業界の中でITエンジニアが生き残るためにはどういったことが必要なのでしょうか。
ITエンジニアが生き残るためには
厳しいIT業界で、エンジニアとして生き残っていくためには並大抵のことでは不可能です。そのためにはどういったことが必要なのでしょうか。
- 業界の動向や技術などの情報収集を怠らない
- 新しい技術や知識の習得、学習を怠らない
- 技術トレンドの現状と今後の展望を見据えたキャリアプランを持つ
業界の動向や技術などの情報を得ておくことは、当然のことですが、ここでエンジニアならではと言える大切なことが「新しい技術や知識の習得」です。
例えば、かつては汎用機が幅広く使われていたサーバー市場にWindowsなどのオペレーションが容易なOS,またはLinuxなどのオープンソース系OSが導入され取って代わってしまいました。そして、今はハードウェアの知識がほぼ不要なクラウドへ移っている現状です。
このようにIT業界では、日進月歩で移り変わっています。その中で生き残っていくためには、「学び続ける」ことがとても大切になってきます。
ITエンジニアのスキルアップに必要な9つの秘訣とは
ITエンジニアがITエンジニアとして生き残り、仕事を続けていくためにはスキルアップは欠かせません。
しかし、単にスキルアップと言っても一体何をすればよいのでしょうか。
ここでは、スキルアップのために何が必要なのか、その秘訣を9つの項目に分けて考えてみましょう。
業界の情報収集を通して動向を把握する
IT業界は日々進歩し続け、新しい技術がどんどんと生まれては古い技術が廃れていきます。
そして、それと同時に業界の中でのトレンドもどんどんと移り変わっていきます。
ITエンジニアとしてスキルアップをしつつ生き残っていくためには、こういった情報をしっかりと把握しながら、自らの進むべき方向性を見定めていくことが大切です。
学び続ける
情報収集とも関連していますが、IT業界はどんどんと新しい技術が生まれ、それが活用されていきます。
常に第一線のエンジニアとして仕事をしていくためには、その時時のトレンドとなっている技術や知識をしっかりと習得して使えるようにしていくことが必要です。
そのためには資格取得などを含めて常に学び続けることが大切です。
セミナーや勉強会で他のエンジニアと交流を深める
IT業界では、ベンダーが行うものや有志のサークルなどが主催するものなど、さまざまな勉強会が数多く開かれています。
こういった勉強会は、知識や技術を得るという目的もありますが、同じ業界で働くエンジニアと交流できるという大きなメリットがあります。
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勉強会は、知識や技術が得られる以外にも同じ業界で働くエンジニアと交流できる点がメリット
彼らと人脈を作り、情報交換しつつお互い切磋琢磨してスキルアップしていくことはとても意味のあることです。
特にコロナ禍以降は、朝や夜の時間を活用したウェビナー、勉強会配信等もTECH PLAY等で多く開催されていますので、自分一人ではなかなか続けられない……という方も一度見てみることをおすすめします。
ドキュメント作成のスキルを向上させる
何もITエンジニアはパソコンを使ってプログラミングをしたり、システム構築をしたりするだけが仕事ではありません。
報告書や操作手順書といったドキュメント類を作成するのも大切な仕事です。
また、エンジニアによっては営業担当とともに顧客に対してプレゼンテーションなどをすることもありますので、プレゼン資料などを作成する技術を磨いておくことも大切です。
こういったものは、回数をこなすことでどんどんと上手になっていきますので出来るだけ機会をみつけて行うようにしましょう。
コミュニケーション力を身につける
ITエンジニアであっても、今や個人でなくチームで仕事をすることは当たり前となっています。
たとえば1つの案件でもサーバーエンジニア、ネットワークエンジニア、データベースエンジニアなど関連する専門分野のエンジニアがそれぞれ分業していることも多いです。彼らとしっかりとコミュニケーションを取りながら仕事をしていく必要があります。
加えて、ITエンジニアと言っても、顧客へのヒアリングや交渉など顧客とコミュニケーションを取る機会も上流工程になればなるほど多くなります。
したがって、コミュニケーション力を磨くことはとても大切なことです。
マネジメント力を身につける
コミュニケーション力のところでも触れましたが、ITエンジニアも各案件をチームとしてこなしていくことがほとんどです。
そういった中でチームを取りまとめて計画的に納期に間に合うように効率よく仕事を行っていくためにリーダーの存在は欠かせません。
キャリアップしていくためには、マネジメント力をつけてリーダーとしてチームをコントロールする力を身につけることはとても大切なことです。
英語力を身につける
最近は、一般の企業でも海外と取引することが一般的になっています。そこで海外のエンジニアと仕事をする場合に問題となるのがコミュニケーション、言葉の壁です。
同じエンジニアであり、用語は共通ですので通じる部分も多いのですが、やはり英語力をアップさせてより密なコミュニケーションを取って仕事をスムーズに進められるようになりましょう。
また、海外からも多くの外国人が日本の企業で働いていますが、その多くは日本語を身につけ、日本人しかいない企業に飛び込んで働きながら日本語を学んでいます。大変な努力家だと思いませんか。
そして、それと同じことを日本人だからと言ってやらなくて良いわけではありません。グローバル化が進んで行く中、英語力を身につけるだけで手に入る情報はとてつもなく増えます。
また、同時に自分の働く場所や、生き方そのものの選択肢も大きく増えると言って良いでしょう。
副業を含めてさまざまな業務を経験する
最近、政府による副業容認・推進の方針を受けて、さまざまな企業で本業以外に副業を容認する動きが出ており、副業を始める方も増えてきました。
副業をする理由には、「本業以外にやりたいことがある」「収入が増える」などの理由がありますが、ITエンジニアが副業をすることで得られるメリットには、これら以外にも以下のようなものがあります。
- 本業に関連した内容で知識の幅を広げることが出来る
- 人脈を作ることが出来る
- 仕事をコントロールし、経営感覚を身につけることが出来る
特に1つ目に関しては、「メインの案件はサーバーサイドを担当し、副業案件はフロントエンドを中心に請け負う」「開発をメインで行いつつ、DockerやAWSの勉強を兼ねてインフラ案件を副業にする」等、今後のメイン案件の単価アップや、より裁量の大きなポジションへのアサインにもつながるように選ぶ方も増えてきています。
後述する今後のキャリアプランにも関連しますが、フリーランスであれば、一つの仕事に縛られず、空いた時間を上手く使って様々な業務を経験することで今後の自分の糧になるでしょう。
メンターを見つける
IT業界でエンジニアとして働くことに限らず、メンター、つまり師匠を見つけるといのはスキルアップの近道です。彼らにエンジニアとしての心構え、学ぶべきこと、自分に足りないことは何か、技術的なアドバイスなどさまざまなことを教えてもらうことが出来ます。
しかし、なかなかそういった存在に巡り会えないケースもあります。こういった時に役に立つのが、勉強会やセミナーです。勉強会やセミナーは、さまざまな企業の人材やフリーのエンジニアなども集まる人脈を作るにはとてもよい場です。
メンターになってもらうためには、当然ながら自分も努力して学びスキルアップしていこうとする姿勢を持っていることがとても大切です。努力しないのにメンターになってくれるはずはありません。
このようにITエンジニアがスキルアップしていくためには、さまざまなポイントがあります。しかし、日進月歩のIT業界でエンジニアとして仕事をし、生き残っていくためにはどれもとても大切なことです。
スキルアップしていくために
最後に、ITエンジニアがスキルアップしていくために大切にしておくべき心構えについて見ておきましょう。
自分の志向をはっきりさせよう
ITエンジニアにとって、日進月歩の業界で生き残っていくためにはスキルアップは欠かせません。しかし、やみくもに技術力や知識、英語力を上げるのが正解かと言われると必ずしもそうとも言えません。
では、どうすれば良いのでしょうか。
それは、まず自らの方向性、キャリアプランを明確にする必要があります。自分がどういう方向へ行きたいのか、そのためには何をすべきなのか、それを明確にしていく必要があります。
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スキルアップをするために、まずは自分がどういう方向へ行きたいのか、そのためには何をすべきなのかを明確にする
専門的なエンジニアとして突き詰めていくのであれば、高度な技術力や知識に重点を置く必要があるでしょうし、マネジメントに進みたいのであれば、よりマネジメント力やコミュニケーション力を高めることに重きを置く必要があるでしょう。
IT業界で生き残っていくためには、このように自分の方向性とも言えるキャリアプランをある程度明確にした上で、スキルアップのための努力をすることをおすすめします。
まとめ
IT業界は、常に新しい技術が生まれて採用される、そして古い技術は新しい技術にとって変わられてしまうという進歩と移り変わりの非常に早い業界です。
こういった業界の第一線で仕事をするエンジニアにとっても、当然新しい技術を常に身につけていくことが求められます。逆に言うと、それが出来ないと業界でエンジニアとして仕事を続けていくことは非常に難しくなります。
今回は、ITエンジニアが業界で仕事を続けていくために必要なスキルアップについて、どのようにしていけばよいのか考えてみました。
ITエンジニアは技術職として学び続けることはとても大切なことです。しかし、それ以上に、自分がどういう方向へ進みたいのか、自らのキャリアプランを明確にした上で戦略的にスキルアップすることも効率的なスキルアップのためにはとても大切です。