近頃耳にすることの多い「リモートワーク」ですが、その意味まで詳しく知っているわけではない、という方も多いのではないでしょうか?
この記事では、実際にリモートワークに踏み出そう迷っている・実際に導入する時に気をつけたいことを知りたい人たちに向けて、「リモートワーク」の意味はもちろん、その特徴や「在宅ワーク」や「テレワーク」との違い、メリット・デメリット、どのように導入をするのかといった内容まで詳しく解説します。
リモートワークとは何か?
リモートワークとは英単語のremote(意味:遠い・離れた)とwork(意味:働く・仕事する)とが組み合わさった言葉です。
直訳すると「離れたところで働く」です。
2020年の新型コロナウイルス感染症の流行以来、ニュースや新聞、日常の会話で頻繁に耳にするようになった言葉ではないでしょうか。
感染症流行対策の一つの方法として、会社に勤務して仕事をするのではなく、会社のオフィスから離れた場所にて働くという働き方が私たちの生活の中に浸透しつつあります。
「テレワーク」「在宅勤務」との違い
リモートワークは厳密には定義されているという言葉ではなく、「会社から離れて働くこと」と直訳されることが多いようです。
それでは、似たような言葉の「テレワーク」や「在宅勤務」との間にはどのような違いがあるのでしょうか?
テレワークとの違い
「テレワーク」は英語のtele(意味:離れたところ)にwork(意味:働く・仕事する)を組み合わせて生まれた言葉です。
厚生労働省の定義によると「ICT(情報通信技術)を活用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」を意味すると定められています。
リモートワーク自体に明確な定義がないため、どちらも会社以外の場所で働くという意味として類義語として用いられることが多いようです。
在宅勤務との違い
次に「在宅勤務」と「リモートワーク」にはどのような違いがあるのでしょうか?
「在宅勤務」は日本語の通り在宅にて勤務する、つまり自宅で仕事をするということですね。
これらは、厳密に違いがあるというよりも、「リモートワーク」の一つの形態として「在宅勤務」があるというように捉えることができます。
サテライトオフィスやカフェなど自宅以外の場所も包含するリモートワークの方がより柔軟な仕事のスタイルの意味を含んでいると捉えるのが良いでしょう。
リモートワークのメリット・デメリット
以上で解説したリモートワークの概要を踏まえ、以下ではリモートワークがもたらすメリット・デメリットに関して解説します。
リモートワークのメリット
リモートワークの最大の特徴はいつ働くのかという時間的な側面やどこで働くのかという空間的な側面において自由度が高くなることにあります。
これら2つの特徴を元に、リモートワークを取り入れることの主なメリットを3つを考えてみましょう。
ワークライフバランスの向上
従来の会社勤務と比較して、時間や場所の制約が少ないリモートワークにはワークライフバランスの向上というメリットが挙げられます。
ワークライフバランスの向上とは「仕事と生活のバランスをうまく調整する」ことができるということです。
例えば、会社への通勤にかかっていた時間が節約することで朝や夜の食事を豊かにすることもできるかもしれません。
また、仕事のオンオフをはっきりさせることで、自分の余暇を楽しんだり、趣味に興じたりすることもできますね。
キャリアとライフイベントの両立
キャリアとライフイベントの両立もリモートワーク導入のメリットです。
例えば、リモートワークにて働く時間を調整することができれば、育児や介護などの家庭生活と仕事を両立する働き方を提案することもできるでしょう。
通勤時間と子どもの送り迎えの時間が被っていたとしても、通勤時間のないリモートワークならばこの問題は解決できるかもしれません。
また、毎日の働き始める時間を柔軟に調整することができるようになれば、会社勤務が難しくなってしまいキャリアを中断せざるを得なかった問題も解決する可能性もあります。
自分にあった仕事環境の構築
3つ目のメリットは自分にあった仕事環境の構築です。
やはり自宅にある自分の身体にあった椅子や机ほどリラックスして仕事を進めることができるのではないでしょうか。
ぜひ、自分にあった仕事環境を構築して、リモートワークにより仕事効率が向上させましょう。
リモートワークのデメリット
ここまでリモートワークのメリットについてご紹介しました。
一見いいことだらけのように見えるリモートワークではありますが、しっかりと注意しなくてはいけないデメリットもあります。
セキュリティ面でのリスク
リモートワークで会社として考えなくてはいけないリスクはセキュリティです。
プロジェクト内容や顧客リスト、従来会社内で厳重にセキュリティ管理していたデータをどのようにしてリモートワークに導入すればいいのかという危惧されています。
コミュニケーションのリスク
次にコミュニケーションリスクという問題もあります。
オンライン会議ツールの普及により、まるでその場で一緒にいるかのように会話することができる環境は整いつつあります。
一方で、オンライン会議ツールにも弱点があり、通信環境のいい人、カメラの質がいい人、マイクの質がいい人など使用するデバイスによって発言権に偏りが起きてしまうのではないかという意見もあるようです。
勤怠管理の難しさ
3つ目のデメリットとして勤怠管理の難しさが挙げられます。
メリットとして挙げた自分だけの仕事環境は、逆にいうと本当に仕事をしているのかを確認することができないのです。
少し自分の部屋を出るとキッチンやテレビのあるリビングがある環境では、実は誘惑の多い環境とも言えます。
そんな環境で一人一人が常に仕事をしているのかを把握することは非常に難しい問題です。
また、逆にメリットである仕事効率の良さが一人一人の社員の働きすぎを助長するのではないかという指摘がされることもあります。
このように、リモートにて本当に仕事をしているのか?仕事をしすぎてはいないか?という勤怠管理の面でまだまだ課題があるのが現状です。
リモートワークを導入する際のポイント
最後に今ご紹介したメリットデメリットを参考に、実際にリモートワークを導入する時のポイントをご紹介します。
柔軟な勤怠管理と評価
リモートワークのメリットともデメリットともなりうる空間的にも時間的にも柔軟性に富むという点から、「どのように勤怠管理をするのか」ということがとても重要なポイントになります。
また、同時に、リモートワークにより働きすぎな人が現れてしまっていることも危惧されています。
従来までであれば、定時出勤定時退社に残業時間をプラスした時間による評価方法がスタンダードではありましたが、今後は時間だけでなく、「どのように仕事を評価するのか」という視点も勤務内容の管理にとても重要でしょう。
福利厚生と手当
福利厚生もまたリモートワーク化によって変化が必要となる可能性があります。
今までの通勤手当の必要性が少なくなることが考えられます。
一方で、家で働いている間の電気代や空調代、通信費など日中ずっと仕事をしているとなるとその費用は莫大なものになります。
このようなリモートワークだからこそ必要となる経費と普段の生活費にどのように折り合いをつけていくのかが今後の課題となりそうです。
デバイス等の標準化
誰しもが自宅に社内と同じようなパソコンなどのデバイスを持っているわけではありません。
人によっては自宅にはパソコンがない人もいるかもしれませんし、また、社内よりもハイスペックなパソコンを持っている人もいるかもしれません。
このように各自の所有物には、当然差があり、また、デメリットのところでも触れたようにセキュリティやコミュニケーションの問題もあります。
これらの理由から、社内の誰もがリモートワークができるように、必要なデバイスなどについて社内で標準化して支給することもリモートワークを進めるために必要なポイントです。
まとめ
この記事では「リモートワーク」の意味はもちろん、その特徴や「在宅ワーク」や「テレワーク」との違い、メリット・デメリット、どのように導入をするのかといった内容まで詳しく解説しました。
現在広がりつつある「リモートワーク」には時間的にも空間的にも自由度が高くなるという今後私たちの生活を豊かにしていく可能性が多く秘められています。
様々な可能性の秘めたリモートワークですが、根本的に働くということは従来と変わりありません。
どんな環境でも成果をあげるためには自分自身を律するう自己管理が求められています。