VBAエンジニアとは、VBAを用いて業務の効率化やシステム開発、保守・運用を行う技術者のことを指します。
そもそもVBA（Visual Basic for Applications）とは、Microsoft Office製品の機能を拡張し、自動化するためのプログラミング言語です。
| VBAエンジニア | VBAを用いて業務の効率化やシステム開発、保守・運用を行う技術者のこと |
| VBA | Microsoft Office製品の機能を拡張し、自動化するためのプログラミング言語 |
業務効率化や自動化のツールとしてVBAは欠かせないため、VBAエンジニアの需要は安定しています。
とは言え、これからVBAエンジニアを目指す方にとっては、以下のような疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。
「VBAエンジニアの年収はどのくらい？」
「VBAエンジニアってどんな仕事をするの？」
「おすすめの資格は？」
そこで今回の記事では、VBAエンジニアを目指す方が知っておきたい以下のことを解説します。
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VBAエンジニアとはOffice製品での作業を効率化する職種
VBAを用いて業務の効率化やシステム開発、保守・運用を行う技術者のことをVBAエンジニアと言います。
なおVBA（Visual Basic for Applications）とは、Microsoft Office製品の機能を拡張し、自動化するためのプログラミング言語です。
| VBAエンジニア | VBAを用いて業務の効率化やシステム開発、保守・運用を行う技術者のこと |
| VBA | Microsoft Office製品の機能を拡張し、自動化するためのプログラミング言語 |
VBAはOffice製（Excel・Wordなど）での作業を自動化したり、複雑な処理を効率的に行ったりと、業務効率を大幅に向上させることを目的としています。
たとえば、繰り返し作業や大量のデータ処理など、手作業では時間がかかる業務をVBAで自動化することができるため、ビジネスの現場で非常に役立つ技術です。
VBAを使うことで、プログラムを作成し、Microsoft Officeの動作を自由にカスタマイズすることが可能です。特に、マクロという機能と連携することで、ユーザーの操作を記録し、その操作を自動で実行させることができるため、繰り返しの作業が多い場面で重宝されています。
VBAは、プログラミングの基礎がある人にとって比較的理解しやすく、初心者でも習得しやすい点が特徴です。
VBAとマクロの違い
マクロとは、Officeアプリケーション内で実行できる一連の操作を自動化したものであり、VBAはそのマクロを記述するためのプログラミング言語です。
つまり、マクロは自動化された操作の集まりであり、それを動かすためのコードがVBAで書かれているということです。
| VBA | Officeアプリケーション内で実行できる一連の操作を自動化したもの |
| マクロ | マクロを動かすためのコードがVBA |
ユーザーは、マクロを利用して簡単に操作を自動化できますが、より複雑な処理や条件分岐を行いたい場合には、VBAでカスタマイズする必要があります。
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VBAエンジニアの仕事内容
VBAエンジニアの主な仕事は、ExcelやAccessなどのOfficeアプリケーションを使用して業務の自動化や効率化を図ることです。
具体的には、社内業務の効率化、社内のデータベース運用の効率化などを行います。
以下で詳しく解説します。
社内業務の効率化
VBAエンジニアの主な仕事内容の一つは、社内業務の効率化です。
VBAを使うことで、ExcelやAccessなどのOffice製品上で繰り返し行う業務を自動化します。
たとえば、以下の作業は自動化可能です。
- データ入力
- 集計
- 分析
- レポート作成など
データ入力、集計、分析、レポート作成などの作業を自動化することで、作業時間の短縮や手作業によるミスの減少が期待できます。
またVBAは、データ処理や意思決定のスピードを向上させ、業務効率を大幅に高める手段としても活用されています。
VBAの保守・運用
VBAエンジニアは、既存のVBAプログラムやマクロの保守・運用も行います。
業務環境やシステムが変化すると、それに応じてプログラムの更新や修正が必要になるため、VBAエンジニアは定期的にコードの確認や調整を行うのです。
たとえば、業務フローの変更やシステムのアップデートがあった場合、これに対応するためにVBAコードを修正し、動作に不具合が出ないようにします。
VBAエンジニアは、問題発生時に素早く対応できる体制を整えつつ、必要に応じてコードの改善や機能の追加を行い、システムを最新の状態に保つことが求められます。
VBAエンジニアの平均年収は400〜600万円
冒頭でも紹介したように、VBAエンジニアの平均年収は400〜600万円です。
国税庁「令和４年分民間給与実態統計調査」によると、日本の給与所得者の平均年収は458万円となっているため、VBAエンジニアの平均年収は同水準〜やや高めと言えます。
| VBAエンジニア | 400〜600万円 |
| 日本の給与所得者 | 458万円 |
ただし400〜600万円という年収レンジは、雇用形態やスキル、業務範囲などによっても大きく異なります。
以下では、雇用形態別（会社員、アルバイト・パート、フリーランス）別のVBAエンジニアの平均年収を紹介します。
| 会社員 | 400〜500万円 |
| アルバイト・パート | 200万円前後 |
| フリーランス | 500〜700万円 |
会社員のVBAエンジニアの平均年収は400〜500万円
会社員として働くVBAエンジニアの平均年収は、400〜500万円ほどです。
年収の幅は、所属する企業や担当する業務の複雑さ、経験年数によって変動します。
具体的には、20代や未経験、新卒社員ほど低く、経験年数が増える30代・40代以降になると500万円以上も目指せます。
| 対象 | 平均年収 |
|---|---|
| 20代・新卒・未経験者 | 300〜400万円前後 |
| 30代 | 400〜500万円前後 |
| 40代・50代・管理職 | 500万円〜 |
アルバイト・パートのVBAエンジニアの平均年収は200万円前後
アルバイト・パートとして働くVBAエンジニアの平均年収は、200万円前後です。
時給換算すると、約1,000円〜1,500円程度となります。
| 平均年収 | 250〜300万円前後 |
| 時給 | 1,500円〜2,000円 |
具体的な業務内容は、ExcelやAccessを用いたデータ入力の自動化、定型作業の効率化などです。
企業のプロジェクトや部署ごとの一時的なサポート業務が多いため、フルタイム勤務のエンジニアと比べて年収は低めになります。
ちなみに国税局「令和3年分民間給与実態統計調査」によると、正社員以外の平均年収は198万円となっているため、フリーター全体の平均年収と比較するとほぼ同水準です。
| 対象 | 平均年収 |
|---|---|
| VBAエンジニア（アルバイト・パート） | 200万円前後 |
| 正社員以外の給与所得者 | 198万円※ 男性：267万円 女性：162万円 |
フリーランスのVBAエンジニアの平均年収は500〜700万円
フリーランスとして働くVBAエンジニアの平均年収は、500〜700万円です。
実際に当サイトが運営するITエンジニア向けエージェント「フォスターフリーランス」で掲載されているVBA案件の平均単価は50〜60万円前後です。
| 平均年収 | 500〜700万円 |
| 月単価 | 50〜60万円前後※ |
フリーランスは自身でプロジェクトを選択し、複数の案件を同時に受け持つことも可能なため、会社員と比べて年収が高めです。
なお中小企業庁によると、専業フリーランスで最も多い年収レンジは100〜300万円未満、次いで300〜500万円未満となっています。
そのため、フリーランスのVBAエンジニアの年収も比較的高めと言えます。
特に大手企業の業務効率化プロジェクトや、短期間で成果を求められる案件に携わることで、1件あたりの報酬を高められ、効率的に年収アップが目指せます。
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VBAエンジニアの年収アップにおすすめの資格
資格を取得することで、資格手当てがもらえたり、スキル・知識の証明ができたりと様々なメリットがあります。
正社員でもフリーランスでも資格を取得しておいて損はないため、時間に余裕がある方は資格取得に挑戦してみましょう。
VBAエンジニアにおすすめの資格は、以下の2つです。
以下で詳しく解説します。
VBAエキスパート
VBAエンジニアの年収アップにおすすめの資格1つ目は、「VBAエキスパート」です。
VBAエキスパートは、Microsoft ExcelやAccessに搭載されているVBA（Visual Basic for Applications）のプログラミングスキルを客観的に評価する資格試験です。
ExcelやAccessで複雑な処理を自動化したい、業務効率を大幅に上げたいと考えている方にとって、有用な資格です。
試験は、ベーシックレベルとスタンダードレベルの2つの難易度があり、それぞれExcelとAccessの試験が用意されています。
VBAエキスパートに合格することで、就職・転職はもちろん、フリーランス独立後のVBAの知識とスキルを証明でき、年収アップにもつながりやすいです。
資格を取得することで、実務経験が少ないエンジニアでもスキルを客観的に証明できるため、キャリアアップや年収アップのチャンスが広がるでしょう。
| 種類 | ・Excel VBAベーシック ・Excel VBAスタンダード ・Access VBAベーシック ・Access VBAスタンダード |
| 受験資格 | 誰でも受験可 |
| 合格基準 | 1,000点満点中700点以上 |
| 試験方法 | CBT方式 |
| 受験日 | 随時実施（試験会場により異なる） |
| 受験料 | 一般：13,200円 割引制度適用：11,880円 |
MOS（マイクロソフトオフィススペシャリスト）
MOS（マイクロソフト オフィス スペシャリスト）は、マイクロソフト社が認定する、WordやExcelなどのMicrosoft Office製品に関するスキルを客観的に評価する国際資格です。
MOS試験に合格することで、WordやExcelの操作スキルを証明でき、就職活動や転職活動において大きなアピールポイントとなります。特にExcelやAccessの操作に習熟していることが求められるため、MOSを取得することでVBAエンジニアとしての信頼性が向上します。
MOS試験は、Word、Excel、PowerPointなど、さまざまなOffice製品に対応しており、基本操作から応用的な機能まで、幅広い範囲が出題されます。試験レベルは、実務で必要なスキルを習得しているかを測ることを目的としており、難易度も様々です。
MOSは、業務の効率化や自動化に必要なスキルを証明する資格であり、年収アップを目指すVBAエンジニアには最適な資格の1つです。
| 種類 | ・一般レベル ・上級レベル（エキスパート） |
| 受験資格 | 誰でも受験可 |
| 合格基準 | 非公開 |
| 試験方法 | CBT方式 |
| 受験日 | 随時実施（試験会場により異なる） |
| 受験料 | ・一般レベル：10,780円（学割8,580円） ・上級レベル（エキスパート）：12,980円（学割10,780円） |
VBAエンジニアに必要な知識・スキル
VBAエンジニアには技術力だけでなく、多面的な知識・スキルが求められます。
特にOffice製品の知識、VBA以外のプログラミング言語、コミュニケーションスキルは必要不可欠です。
以下で詳しく解説します。
Office製品の知識
VBAエンジニアに必要な知識・スキル1つ目は、「Office製品の知識」です。
- Word
- Excel
- PowerPointなど
VBA（Visual Basic for Applications）は、MicrosoftのOffice製品で使用されるプログラミング言語であり、Office製品の使い方を熟知していることがVBAの効果的な活用に直結するからです。
具体的には、ExcelやAccess、Wordの高度な機能を熟知していると、データの処理や分析、帳票作成、業務の自動化がスムーズに行えます。たとえば、Excelでのデータ集計をVBAで自動化することで、手作業のミスを減らし、時間を大幅に短縮することが可能です。
Office製品の知識があることで業務効率化に貢献でき、会社やクライアントからの評価が向上し、結果として年収アップにもつながります。
VBAと親和性の高い言語の知識
VBAエンジニアに必要な知識・スキル2つ目は、「VBAと親和性の高い言語の知識」です。
VBAだけでは対応できない複雑な業務やシステム連携の際、他のプログラミング言語の知識があると、より幅広い案件に対応できるからです。
特にデータベースとの連携やWeb関連の作業を効率化するには、他言語のスキルが求められます。
具体的には、以下の通りです。
- SQLの知識がある→Accessや他のデータベースから大量のデータを抽出・加工し、自動レポート作成などの高度な作業が可能
- JavaScriptの知識がある→Webアプリケーションの自動操作やデータのやり取りをVBAと組み合わせて行うことが可能
このように他の言語とVBAを組み合わせることで、エンジニアとしての対応力が向上し、結果的に高単価案件や年収アップにつながるのです。
また他のプログラミングスキルがあることで、フリーランス独立をした際に対応できる案件の幅も広がります。
コミュニケーションスキル
VBAエンジニアに必要な知識・スキル3つ目は、「コミュニケーションスキル」です。
クライアントやチーム内で円滑なコミュニケーションが取れなければ、プロジェクトをスムーズに進めることができないからです。
特に、業務自動化や効率化を提案する際には、相手のニーズを正確に把握し、その要求に応じた解決策を提示する力が求められます。
具体的には、「正確に聞く力」「相手のニーズを聞き取る力」「わかりやすく説明する力」が重要です。
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エンジニアに必要なコミュニケーションスキルは、「正確に聞く力」「相手のニーズを聞き取る力」「わかりやすく説明する力」
コミュニケーションスキルは、信頼関係を築き、評価を高めるための重要な要素です。
VBAエンジニアの需要・将来性はない？
「VBAエンジニアの需要・将来性はないのでは？」と不安に感じる方も多いです。
ただし、実際は需要・将来性は期待できると言えます。
その理由は、以下の通りです。
以下で詳しく解説します。
VBAエンジニアの需要はOffice製品のシェアがある限りなくならない
VBAエンジニアの需要は、Microsoft Office製品が広く使用されている限り、なくなることはないと言えます。
VBAはExcelやAccessといった業務ツールを使用して、業務の効率化や自動化を図るために使用されています。
多くの企業では、日々の定型業務やデータ処理を効率化するためにVBAを活用しており、その運用や保守を行うエンジニアの存在が重要なのです。
そのため、需要がなくなることは考えにくく、安定したキャリアを築くことが可能です。
クラウドや新技術との併用でVBAエンジニアの価値がさらに向上する
VBAエンジニアは、クラウド技術や新しいツールと連携させることで、さらに価値を高めることができます。
たとえば、Microsoft 365やSharePointなどのクラウドプラットフォームとVBAを併用することで、データ管理や共有の効率化が進み、より大規模な業務改善ができます。
新しい技術とVBAの組み合わせによって、業務の自動化範囲を広げられ、企業のニーズに応じた柔軟な対応が可能になるのです。
そのため、VBAエンジニアは、クラウド技術やデータベース管理などの知識を併せ持つことで将来性が期待できるうえに、さらなるキャリアアップや年収アップも期待できる職種です。
VBAエンジニア向けのフリーランス求人
ここからは、当サイトが運営するITエンジニア向けーエージェント「フォスターフリーランス」で掲載されているフリーランスのVBA求人・VBAエンジニア向けの求人を紹介します。
※2024年10月時点で掲載している求人です。
求人例①：ネット銀行における業務自動化
ネット銀行での業務改善に伴う、RPA、VBAマクロを中心とした自動化求人です。
求人詳細は、以下の通りです。
| 案件単価（月） | 60～70万円 |
| 言語 | ・Webサーバサイド ・RPA |
| 必須スキル・経験 | ・RPA以外の業務システム開発PJ参画経験2年以上 ※ポジションはコンサル・エンジニア問わず、システム開発の一連の流れが把握できている方 ・クライアントとの要件に関するコミュニケーション経験 ・WinActorに関する知見（独学含む） ・VBAマクロ、Accessの開発経験1年以上 |
| 歓迎するスキル・経験 | 自動化対象業務の選定経験 |
| 稼動日数 | 週5日 |
| 就業時間 | 9:00～17:30 |
| リモート詳細 | 週2日程度オンサイト、残りはリモート |
| 勤務地 | 東京都,品川区 |
求人例②：公共システムの運用保守
公共システムの運用保守求人です。
求人詳細は、以下の通りです。
| 案件単価（月） | 40～50万円 |
| 言語 | ・Webサーバサイド ・Java ・C# ・SQL |
| 必須スキル・経験 | ・Javaまたは.Net(VB、C#等)開発経験 ※プログラムが読める方 ・簡単なSQLであれば読み書きできる方 ・IT業界経験5年以上の方 |
| 歓迎するスキル・経験 | – |
| 稼動日数 | 週5日 |
| 就業時間 | – |
| リモート詳細 | オンサイト |
| 勤務地 | 東京都,千代田区,川崎市,川崎区 |
フォスターフリーランスでは、上記以外にもさまざまなVBA関連の求人をご紹介可能です。
フリーランスのVBAエンジニアの方や、これからフリーランスを目指す方はぜひ以下からチェックしてみてください。
VBAエンジニアに関するよくある質問
ここからは、VBAエンジニアに関するよくある質問を紹介します。
VBAエンジニアの平均年収はどのくらいですか？
VBAエンジニアの平均年収は、400〜600万円ほどです。
具体的には会社員の場合400〜500万円、フリーランスだと500〜700万円ほどが相場です。
VBAエンジニアは年収を上げるためにどうすれば良いですか？
VBAエンジニアが年収を上げるためには、Office製品の知識を深めるだけでなく、SQLやJavaScriptなどの関連スキルを習得することが有効です。
また、フリーランスとして独立し、高単価の案件に挑戦することも収入アップの方法の一つです。
VBAエンジニアになるために資格は必要ですか？
資格は必須ではありません。
ただし、「VBAエキスパート」や「MOS（Microsoft Office Specialist）」などの資格を取得することで、スキルを証明でき、年収アップや就職・転職時に有利になることがあります。
そのため、時間に余裕がある方は資格取得をしておいて損はないと言えます。
VBAエンジニアの年収とキャリアアップのポイントまとめ
VBAエンジニアは、Office製品を活用した業務効率化のプロとして、多くの企業で求められています。
特に、定型業務の自動化やデータ処理の最適化を行うためのスキルは、企業にとって欠かせないものです。
年収の相場は会社員で400〜500万円、フリーランスで500〜700万円とされていますが、スキルや知識を磨くことで、さらなる年収アップが可能です。
年収を上げるためには、VBAエキスパートやMOSといった資格の取得、Office製品や関連するプログラミング言語の習得が効果的です。
また、VBAエンジニアの需要は、Microsoft Officeの普及が続く限り安定しており、将来的にも安定したキャリアを築くことができるでしょう。
スキルアップと共に、自分の強みを最大限に活かして、年収アップを目指していきましょう。
